海外FXのメリットとは?利用が向いている人の特徴も解説!
収入を得る手段として、FXを検討している人は少なくないでしょう。
FXには大きく分けて国内FXと海外FXがあり、それぞれメリット・デメリットや特徴は異なります。
どちらの方が稼ぎやすいとは一概に言えないため、まずは国内FXと海外FXについて把握し、ニーズに合っているものを選択してみてください。
そこで今回の記事では、主に海外FXについて解説します。
国内FXとの比較も紹介しているため、海外FXの特徴を踏まえた上でどのようにFXを活用するかを検討してみてください。
利用する人の特徴から、国内FXと海外FXのどちらが向いているかにも触れていくため、あわせてチェックしておきましょう。
海外FXとは
まず、海外FXの概要について説明します。
海外FXを簡単に解説すると、日本以外の海外に本社を持っているFX証券会社のことです。
ただし、海外に本社がある場合でも日本の金融庁に登録している場合は国内FXとなります。
反対に、日本に本社がある企業を国内FXと呼びますが、金融庁からライセンスを受けていない場合は海外FXとして扱われると理解しておきましょう。
海外FXは金融庁の厳しい基準をクリアする必要が無い分、様々な規制が緩和されている傾向にあります。
規制が無いことから少額の保証金を一気に利益に変えて大金を手にしたい人はメリットを感じられますが、失敗したときのリスクが大きくなるリスクも伴うのです。
また、後述しますが課税方法や税率なども海外FXと国内FXでは異なるため、節税を考えている人は違いをきちんと把握しておきましょう。
海外FXと国内FXの違い
海外FXと国内FXには、以下のような違いが挙げられます。
海外FX | 国内FX | |
---|---|---|
レバレッジ | 最大1000倍以上(規制無し) | 最大25倍 |
税金 | 総合課税かつ累進課税 | 分離課税かつ一律税率 |
税率 | 15~55% | 20.315% |
スプレッド | 低い | 高い |
スワップポイント | 高い | 低い |
出金リスクの可能性 | 高い | 低い |
海外FXと国内FXで最も異なる点はレバレッジです。
レバレッジとは、預けたお金(保証金)を何倍にして取引できるかを表すもので、大きいほどかけたお金の回収率が高くなります。
ただし、その分失敗した場合のリスクも大きくなる点には注意しなければいけません。
例えば、レバレッジ10倍の場合、保証金10,000円を最大で10万円で取引できる可能性があるということです。
海外FXの方が国内FXよりも断然レバレッジが大きいため、一攫千金を狙う人には海外FXがおすすめと言えます。
他にも、課税方法や税率が異なるので、税金対策のためにFXを始める場合は注意しましょう。
また、スワップポイントと呼ばれる2ヶ国間の金利差調整分についても注目してください。
スワップポイントが高いほど、通貨を決済するまでの期間分だけ高い利益を得られます。
レバレッジと同様に、スワップポイントも失敗した際のリスクが大きくなるため計画的に活用しましょう。
海外FXのメリット
海外FXには、以下のような7つのメリットが挙げられます。
最大1000倍以上のレバレッジで提供
海外FXは金融ライセンスが不要で、特にレバレッジの規制はありません。
国内FXは最大でも25倍という規制があるのに対して海外FXは何倍ものレバレッジをかけられるため、一気に利益を獲得したい人にとってはメリットになるでしょう。
一般的に、海外FXのレバレッジはマックスで1000倍程度です。
少ない軍資金でも一攫千金に繋がる取引が可能ですが、ハイリスクハイリターンとなるため計画的に取り組まなければいけません。
特にFX初心者によるレバレッジの高い取引は危険性が高いことから、あまりおすすめされていません。
ゼロカットシステムにより追証が無い
海外FXには追証が無く、FXによる借金リスクが低いというメリットがあります。
追証とは、保証金が不足してしまった際にトレーダーが不足分を後々FX会社に納めなければならない仕組みです。
本来であれば保証金の損失が広がらないよう、FX会社による強制決済(強制ロスカット)がかかりますが、相場が急変動した場合などは強制ロスカットが間に合わないケースもゼロではありません。
国内FXではトレーダーが不足した保証金を自己負担しなければならないのに対し、海外FXはFX会社が負担するという規約があります。
この規約を「ゼロカットシステム」と呼び、これにより海外FXは追証リスクがありません。
ノンディーリングデスク方式を採用
ノンディーリングデスク方式とは注文処理方法の一種で、主に海外FXで利用されています。
取引の最中にFX企業が介入しないため、正確な市場価格で取引できるメリットがあります。
また、ノンディーリングデスクの取引はスプレッドが広い傾向にあることから、売り値と買い値の価格差が広い取引を求める人におすすめです。
なお、ノンディーリングデスクの反対はディーリングデスクで、主に国内FXで取り入れられています。
ディーリングデスクはFX企業が仲介するため、FX会社に価格レートを左右される可能性はゼロではありません。
通貨ペアが豊富
海外FXは国内FXよりも取り扱い通貨ペアが多い傾向にあります。
通貨ペアが多いと複数の少額取引をすることで、リスクヘッジができる点はメリットです。
また、スワップポイントが高い取引の選択肢も増やせるでしょう。
スワップポイントは2ヶ国間の金利差によって利益が異なるため、金利差が大きい通貨ペアを選ぶことが大切です。
ドルやユーロなど定番の商品以外でも取引したい人は、海外FXの利用がおすすめと言えます。
MT4・MT5が使用可能
MT4やMT5はFX取引において便利なツールで日本では数社でしか取り入れられていませんが、海外FXではほとんどの会社で利用されています。
MT5はMT4のアップデート版で、基本的な機能に違いはありません。
MT4・MT5にはチャートウィンドウや通貨ペア一覧などトレーダー共通の情報以外に、取引履歴やメールなど個人的な情報管理としても利用できます。
また、インターフェースを自分でカスタマイズできることから、自分にとって最も使いやすい見た目に変更できる点もメリットです。
さらに、機能はいくらでも追加できるためオリジナルのFXツールとして精度を上げられます。
ボーナス利用で気軽に取引ができる
海外FXのメリットの一つに、入金ボーナスがあります。
入金ボーナスとは口座に保証金を入金する際に、一定割合のボーナスが付与される仕組みです。
入金ボーナスは現金のように出金はできませんが、保証金として利用できるため少ない軍資金でも大きな取引が可能となります。
現金をかけるわけではないため、入金ボーナスを活用することで取引がしやすくなるでしょう。
また、入金ボーナスは各FX会社によって付与される条件や割合が異なります。
キャンペーンによって付与される場合もあれば、FX会社によっては入金ボーナス自体が無い場合もあるため事前に確認しておいてください。
CFD商品の取引が可能
CFD商品とは、差金決済ができる商品のことです。
商品を買ったときと売った時の差金だけを決済する形で、現物を保有しません。
例えば10,000円の商品を買うと注文し、12,000円で売ると注文した場合、2,000円分の利益が出るということです。
CFD商品は高いレバレッジをかけて一気に大金を稼げる可能性がある、取引チャンスが多いなどのメリットがあります。
また、ほぼ24時間取引が可能なため、忙しくてなかなかFXを始められなかった人やFXにかける時間があまり無い人にとっても便利な取引と言えるでしょう。
海外FXの注意すべきデメリットとは
一方、海外FXには以下のような7つのデメリットもあるので注意が必要です。
取引コストが高い
海外FXは国内FXよりもスプレッドが広い傾向にあり、取引コストが高い特徴があります。
スプレッドとは売値と買値の価格差であり、差が広いほど利益は大きくなるものの、取引コストも高くなるため注意しなければいけません。
なお、コストは1回の取引ごとに必要となるため、数銭とわずかでも回数が多くなるほど負担は膨らみます。
スプレッドが広い取引は回収率が高い一方で、失敗した際の損失も大きくなる点もデメリットです。
日本語に対応していない場合がある
海外FXは国内FXのように日本語に対応しているとは言えません。
ホームページや取引ツールなどの表示が外国語の場合、読解スキルが無ければ誤った解釈をしてしまいます。
FXにおいて正確な情報を把握しないまま取引をすることは非常に危険です。
また、サポートにおいても日本語でないことから通じず、思わぬトラブルに繋がる可能性は否めません。
疑問や質問の際に日本語によるサポートを受けられないため、なかなかトラブル解決に繋がらない恐れがあります。
税金が累進課税
海外FXの課税方式は、総合課税かつ累進課税です。
所得が多くなるほど税率も高くなるため十分に注意してください。
また、海外FXの所得があまり高くない場合でも、他の所得が高ければ課税率はアップします。
課税所得額が194万9,000円までは税率5%ですが、4,000万円以上の場合は45%に及びます。
ただし、課税所得額が低い場合は国内FXより海外FXの方が税金を抑えられるケースもあるため、一概に海外FXの税率が高いとは言えません。
一方で、国内FXは所得額に関わらず税率は一律20.315%です。
海外FXは約694万円までの所得であれば国内FXより税率が低いため、所得に応じて海外FX・国内FXの使い分けをおすすめします。
取引時の規制が多い
海外FXは取引規制が多い上に、ルールの表示があいまいというケースがあります。
例えば「10分間に10ロット以上の取引を禁止する」という具体的な表現ではなく、「当社の裁量による」という表現には注意してください。
海外FXの各企業による独自ルールに反していると、正確に利益を出金できない可能性もあります。
海外FXを利用する際は取引時の規制をしっかりチェックし、あいまいな表現や複雑なルールが多い場合は避けた方が良いでしょう。
出金トラブルに遭う可能性がある
FXの取引でハイリターンを得ても、実際に出金できなければ意味がありません。
出金拒否をする海外FXの悪徳業者もゼロではなく、トレーダーの利益を横取りされてしまうリスクもあります。
もちろん海外FXの企業すべてが悪徳とは言えませんが、ライセンスが無い企業や設立後の実績が無い企業は出金トラブルの可能性が高いです。
出金トラブルを避けるためにも、海外FXの信頼性や安全性は事前に確認しておきましょう。
金融庁の許可を受けていない
海外FXは金融庁の許可を受けていません。
金融ライセンスを取得している国内FXとは取引ルールが異なるので注意してください。
代表的な取引ルールの違いの一つに、レバレッジの規制が挙げられます。
国内FXはトレーダー保護のため最大25倍というレバレッジ規制がありますが、海外FXはほとんど規制が無く、最大で数千倍までレバレッジをかけられます。
海外FXは金融庁の規制が無い分、大金を稼ぐチャンスも広いですが、安全性が高いとは言えません。
ハイリスクを避けたい人は、海外FXよりも国内FXの方がおすすめです。
信託保全管理が義務化されていない
信託保全とは、FX業者が顧客から預かったお金は会社とは別に管理し、万が一破綻した場合でも一定範囲内でトレーダーに返金するシステムです。
国内FXは信託保全管理が義務化されており、破産した場合でも一定割合の返金保証がありますが、海外FXは義務化されていません。
国によっては信託保全の仕組みすら無いケースもあり、会社が倒産したら預けたお金がすべて無駄になってしまうリスクもあります。
万が一の破綻に備えて、信託保全管理をしている海外FXを選んでください。
海外FX口座と国内FX口座はどちらがおすすめ?
ここまで海外FXの特徴やメリット・デメリットなどを解説しました。
最後に、海外FXと国内FXについて、それぞれ利用が向いている人の特徴について解説します。
海外FX口座が向いている人
海外FXが向いているのは、ハイリスクハイリターンの取引を求める人です。
レバレッジやスプレッドが広い取引が多く、コストがかかる一方で回収率も高いため、一度の取引で一気に大金を稼げるチャンスがあります。
また、総合所得額が約649万円ほどの人も海外FXが向いています。
海外FXは累進課税で、一定額以上になると国内FXよりも税率が高くなるためです。
総合所得額が約649万円以下であれば海外FXの方が税率が低いです。
国内FX口座が向いている人
一度の取引でハイリターンを得ることよりも、安全に運用することを優先したい人には国内FXが向いています。
国内FXは金融庁の許可が必要で、トレーダー保護のためにレバレッジには規制がかかっています。
また、税率は分離課税かつ一律20.315%なので、FXの所得が多い人も国内FXの方が向いています。
まとめ
今回の記事では、海外FXについて解説しました。
海外FXとは拠点が海外にあるFX業者や金融庁の許可を取っていないFX業者のことを指します。
海外FXはレバレッジ規制が無く、保証金を最大で1000倍以上にもできるチャンスがあります。
ハイリスクハイリターンの取引を求める人は、国内FXより海外FXが向いていると言えるでしょう。
また、海外FXは日本語のサポート体制が整っていないため、英語などの外国語を読み解く力などが求められます。
日本語の手厚いサポートが欲しい、出金などのトラブルを避けたいという人は、国内FXの方がいいかもしれません。
海外FXと国内FXの特徴を把握し、ニーズに応じて選択しましょう。