海外FXと国内FXの違いとは?併用するメリット・注意点も解説!
収入アップや副業の一環として、FXを考えている人もいるのではないでしょうか。
FXと一言で言っても、大きく海外FXと国内FXとの2種類に分けられます。
海外FXと国内FXにはそれぞれにメリットやデメリットなど特徴があるため、事前に把握した上で自分のニーズに合った方を選ぶ、もしくは併用をおすすめします。
FXは多かれ少なかれお金や時間をかけて取引を実施することから、メリット・デメリットや特徴を理解していなければ損をするリスクは高まってしまうでしょう。
そこで今回の記事では、海外FXと国内FXの違いや併用のメリット・デメリット、あわせて注意点などを解説するため、ぜひ参考にしてみてください。
海外FXと国内FXの違い
海外FXと国内FXの違いには、主に以下の5つが挙げられます。
金融ライセンスが異なる
金融ライセンスとは、投資事業者に対して発行される許可証です。
海外FXと国内FXでは金融ライセンス取得の基準が異なります。
海外FXはライセンスを発行する国の基準に基づき金融ライセンスを取得しているため、日本とはまったく別物と認識しておきましょう。
また、海外FXにもメジャーライセンスとマイナーライセンスの2種類があります。
メジャーライセンスに比べてマイナーライセンスは取得が容易である一方、信頼性は高いと言えません。
なお、国内FXの金融ライセンスは金融庁が発行しており、取得基準が一律であることから所得する先は信頼性が高いと言えます。
レバレッジの規制有無
レバレッジとは、預けたお金(保証金)を何倍まで取引できるかという数字です。
例えば、レバレッジ10倍で10万円を預けた場合、100万円の取引が可能です。
なお、海外FXはレバレッジの規制がないため、預けたお金を何百倍・何千倍にもできることから一度に大金を手に入れることも夢ではありません。
つまり、ハイリスク・ハイリターンなトレードを好む人に海外FXは向いています。
一方、国内FXはレバレッジが最大25倍と規制されています。
海外FXほどのレバレッジはありませんが、リスクを抑えたい、FX初心者といった人には国内FXの方が安全と言えるでしょう。
税率
海外でも国内でも、FXの所得には税金がかかります。
ただし、国内外で課税方法が異なる点を認識しておきましょう。
まず、海外FXは総合課税となります。
総合課税とは、FXと他の所得を合算した総額に対して課税される方法です。
累進課税のため、所得が多くなるほど税率もアップするという点に注意してください。
例えば所得の総額が194万9,000円以内の税率は5%ですが、4,000万円以上の税率は45%に及びます。
一方で、国内FXは分離課税です。
FXの所得に対してのみ課税されるため、他の所得は関係ありません。
また、FXの所得の金額に関わらず税率は一律20.315%です。
多くの海外FX業者は自動売買に対応
自動売買とは、各サービスのシステムが事前に設定したルールに従って取引する方法です。
トレーダーが判断する必要が無いため、初心者でも取引しやすいというメリットがあります。
また、ベテランのトレーダーにとってもパソコンの前に居座り続ける必要がないことから、時間や労力といった負担を軽減できる点はメリットと言えるでしょう。
海外FXは自動売買に対応しているものが多く、自分の判断よりシステムに任せたい人におすすめです。
ただし、自動売買システムはサービスによってクオリティや初期設定方法などに違いがあるため、必ずしも便利とは限りません。
海外FXは入出金方法の選択肢が広い
FX取引には、入出金のためのツールが必要です。
海外FXの入出金方法として、クレジットカードやオンラインウォレット、デビットカードなどが挙げられます。
選択肢が多い一方で、手続きが複雑なことやリアルタイムで反映されづらいなどのデメリットもあるので注意してください。
なお、国内FXは主に口座振り込みを利用します。
入出金の選択肢はあまり広くないものの、手数料を抑えられる、スピーディーに入出金できる点などはメリットです。
海外FX口座の特徴
ここでは、海外FX口座の特徴について5つ解説します。
レバレッジの規制がない
先述したように、海外FXにはレバレッジの規制がありません。
つまり、預けたお金を一気に数百倍・数千倍にできる可能性があるのです。
一方で、失敗した際の損害も大きくなるリスクを伴うことから、一概にレバレッジの規制が無いことをメリットとは言えません。
特にFX初心者や経験が乏しい人にとっては損をするリスクが高まるため、ハイレバレッジによる取引は避けた方が無難です。
手持ち金に余裕がある、あるいはFX取引の経験・知識がある場合にのみ、ハイレバレッジの取引を検討してみましょう。
通貨ペアが多い傾向にある
通貨ペアとは、取引を行う2ヶ国の通貨の組み合わせのことです。
通貨ペアによって取引量や売り値と買い値の差額であるスプレッドなどが異なるため、人によって使い勝手の良さは変わってくるでしょう。
どの通貨ペアが最も稼ぎやすいとは言えませんが、米ドルやユーロなどは主流な通貨と言えます。
通貨ペアが多いと、自分に合ったものの選択肢が増える点はメリットです。
通貨ペアの選択肢を増やしたい人は、ぜひ海外FXをチェックしてみてください。
MT4・MT5といった取引ツールに対応
MT4やMT5は世界的にも主流な取引プラットフォームで、様々な機能面や操作面で優れている上に無料で使えることから、高い人気を誇る標準ツールです。
MT4をアップデートしたものがMT5であり、互換性は無いためMT4のデータをMT5に引き継ぎできない点には注意してください。
MT5にはFX取引に必要な幅広い情報をわかりやすく表示させる機能や、売買タイミングを図る際に役立つインジケーターなどが搭載されており、FX取引をするには欠かせないツールと言えるでしょう。
CFDの利用が可能
CFDとは差金決済取引のことで、売買の差額だけやり取りが発生する取引を指します。
CFDは一定割合の保証金で保証金以上の取引ができるため、レバレッジを利かせて手持ち資金を増やせるメリットがあります。
しかし、レバレッジが大きくなるほど失敗した際の損失額も大きくなるため、CFDは計画的に利用しましょう。
入金ボーナスがある
入金ボーナスとは、口座に入金する際に一定割合のボーナスが付与されるサービスです。
入金ボーナスは現金のように出金し利用できませんが、保証金として利用可能です。
なお、入金ボーナスの割合はサービスによって異なるため事前に確認しておいてください。
つまり、現金で軍資金を用意できない場合でもボーナスを代替できるので、現金をかけずに利益を獲得できるチャンスがあるということです。
例えば、100%入金ボーナスが付与される場合、5万円入金すると5万円の入金ボーナスを獲得できます。
合計10万円を保証金として利用でき、半額の入金で取引が可能となるため非常にお得と言えるでしょう。
国内FX口座の特徴
次に、国内FX口座の特徴について4つ紹介します。
レバレッジの規制がある
国内FXは海外FXとは違い、レバレッジの規制があります。
海外FXが何百倍、何千倍というレバレッジを利かせられる一方、国内FXは最大25倍までと規制がかけられています。
国内FXは金融庁が規制しているため海外FXほど大きなレバレッジは期待できませんが、大きなリスクを背負う可能性が低い点はメリットです。
大きな損失を避けてFXを利用したい人は、海外FXより国内FXの方がおすすめと言えます。
スプレッドが狭い
スプレッドとは、1通貨あたりの売り値と買い値の差額です。
例えば米ドルと円の取引で売り値が105.000・買い値が105.003の場合、米ドルが105円で売れ、米ドルを買う際には105.003円が必要となります。
この際の差額0.003円がスプレッドと呼ばれ、スプレッドが狭いほど取引コストは抑えられるのです。
スプレッドは取引のたびに発生するコストであることから、1回の取引にかかるスプレッドの差は僅かでも、取引数が多くなるほど大きな差となります。
取引コストを抑えたい人は、スプレッドが狭い国内FXがおすすめです。
税制が一律
先述したように、国内FXの税率は一律20.315%です。
FXの所得が少ない場合は海外FXより国内FXの方が割高になりますが、所得が多くなる場合は国内FXの方が節税しやすいです。
海外FXでは649万9,000円までは税率が20%以下なので、それ以上の課税所得額になる場合は国内FXの方がお得と言えるでしょう。
また、国内FXは他の所得とは別に課税されるため、FXの所得だけを別に課税してほしい人におすすめです。
日本語対応が可能でサポートが充実
海外FXは高性能ツールや入金ボーナスなどのメリットがある一方、日本語に対応していないケースも少なくありません。
なじみの無い国の海外FXを利用する場合、語学力が無ければ使いこなせない可能性が高いです。
国内Xは日本語対応が可能でサポートが充実しており、サイトやツール、表示内容などで質問があれば気軽に問い合わせやすいでしょう。
メールや電話など幅広いツールでの問い合わせに対応しているため、忙しい人でも利用しやすい点でもメリットがあると言えます。
海外FXと国内FXを併用するメリット
FXには海外・国内それぞれを別に利用するケースだけでなく、併用も可能です。
海外FXと国内FXを併用するメリットとして、以下の4つがあります。
リスクを抑えつつハイリターンを狙える
海外FXと国内FXを併用し、それぞれの長所を活かすことで取引におけるメリットを感じられるでしょう。
特に、保証金の配分によってはリスクを抑えつつハイリターンを狙えるので、併用して効率的に稼ぎやすくなります。
海外FXでは少ない保証金でレバレッジが大きい取引を実施し利益を狙う一方、国内FXで多めの保証金で安定した運用を行う方法がおすすめです。
大きな利益を得たい、かつ損失を避けたい人は海外FXと国内FXの併用を検討してみてください。
資金分散が可能
海外FXと国内FXを併用すると、資産の分散先が増えるというメリットがあります。
お金の預け先が1ヶ所の場合、そのFXで大きな利益が出れば効率的に大金を稼げますが、一気に大金を失うリスクにも繋がりかねません。
一方、預け先が複数あれば1ヶ所損失が出てもダメージが小さく致命傷を避けられる可能性があるため、リスクマネジメントの観点からも海外FXと国内FXの併用にはメリットがあります。
節税に繋がる可能性がある
海外FXと国内FXはそれぞれ税率の計算方法が異なるため、FXによる総所得が同じでも併用することで節税できるかもしれません。
国内FXはFXによる所得額に関わらず税率一律20.315%ですが、海外FXは総所得が多くなるほど税率も高くなります。
海外FXだけで稼ぐと、税金として引かれる金額も多くなってしまいます。
海外FXの保証金の一部を国内FXに回し運用すると、トータルで引かれる税金が低くなる可能性が否めません。
節税の面でも、海外FXと国内FXの併用にはメリットがあると理解しておきましょう。
取引コストを抑えられる業者を選べる
FXを利用する上で、取引コストは重要なポイントです。
海外FXと国内FXのそれぞれの特徴を活かせば、取引コストを抑えられるかもしれません。
短時間で細かい取引を何度も行うスキャルピングを国内FXで行えば、スプレッドが狭い取引が可能です。
一方、長期的な運用となるスイングトレードやデイトレードが中心となる海外FXはスプレッドが広がりやすいですが、レバレッジの大きさや入金ボーナスなどで大きな利益を狙いやすいでしょう。
取引コストを抑えられる業者を選べる点でも、海外FXと国内FXの併用はおすすめです。
海外FXと国内FXを併用する際の注意点
海外FXと国内FXは課税方式が異なるため、合算して損益を計算できません。
たとえ海外FXと国内FXを合わせた利益が少額またはマイナスであっても、課税所得を下げられないことから節税にはならないのです。
また、海外FXの取引分は赤字を繰り越せないため、翌年以降における課税所得の相殺対象外となります。
赤字を繰り越せるのは国内FXのみと認識しておきましょう。
まとめ
今回の記事では、海外FXと国内FXの違いや併用のメリット・デメリット、注意点などについて解説しました。
海外FXはレバレッジ規制が無く、少ない保証金を一気に何百倍・何千倍にできるチャンスがありますが、その分リスクも大きいなどの特徴があります。
一方、国内FXは金融庁の基準によって最大レバレッジは25倍までと定められており、海外FXに比べるとハイリターンは期待できませんが、安全に運用できるメリットがあります。
海外FXと国内FXは併用可能なため、資産分散や節税を踏まえてうまく活用し取引を進めてみてください。