海外FXの危険性を徹底解説!リスクの回避方法も紹介
海外FXは危険と言われることがあります。
その理由として、利益を出金できない、レバレッジが大きいから危ない、詐欺業者が多いなどが挙げられます。
海外FXを使うメリットは大きいものの、上記のような噂を耳にするため、なかなか利用するための一歩が踏み出せない人は少なくないでしょう。
しかし、海外FXは、安全に利用するためのポイントを押さえることで、特徴を最大限に活かしてトレードができるのです。
国内FXでは得られないメリットも多く、特に初心者にとっては利用しやすい可能性もあります。
そこでこの記事では、海外FXが危険だと言われる理由とともに安全に利用する方法、さらにはメリット・デメリットなどを解説するため、ぜひ参考にしてみてください。
海外FXの危険性とは
海外FXの危険性として次の6つが挙げられます。
- ・ハイレバレッジであるため大きな損失リスクを伴う
- ・詐欺業者のリスクがある
- ・出金から着金までに時間を要す場合がある
- ・出金拒否の可能性がある
- ・税率が高い
- ・日本語に対応していない場合がある
それぞれ具体的に見ていきましょう。
ハイレバレッジであるため大きな損失リスクを伴う
海外FXはハイレバレッジでトレードが可能なため、大きな損失リスクを伴います。
海外FX業者はそれぞれが登録している国の金融庁によってレバレッジを定められており、日本の法律には規制されないため、高いレバレッジでの取引が可能です。
主な海外FX業者のレバレッジは次にまとめました。
業者名 | レバレッジ |
---|---|
LAND-FX | 無制限 |
GEMFOREX | 5000倍 |
XM | 1000倍 |
FXGT | 1000倍 |
TitanFX | 1000倍 |
一方で、国内FX業者のレバレッジは最大で25倍です。
証拠金制度(レバレッジ制限)
個人が店頭FX取引を行う際は、通貨ペアの種類を問わず、取引金額に対して4%以上の証拠金を差し入れ、維持する必要があります(レバレッジに換算すると25倍以下となります。)。
仮に証拠金が10万円の場合、国内業者は最大で250万円分しか取引できませんが、海外FXでは1億円分以上の取引が可能になります。
そのため、大きなポジションサイズ(Lot)での取引が可能になり、これに伴い1銭(1pip)の変動による損益も大きくなるのです。
つまり、高いレバレッジでの取引は少しの変動により証拠金以上の損失を被る恐れがあることを意味します。
詐欺業者のリスクがある
海外FXのリスクとして詐欺業者の可能性があるという点も挙げられます。
海外FX関連における詐欺の事例を次にまとめました。
- ・海外FX業者に入金後、業者と連絡がつかなくなる
- ・海外FX業者に登録し自動売買ソフトを購入させられる
- ・キャッシュバックキャンペーンを見て海外FX業者に入金したがキャッシュバックされない
海外FX業者は日本の法律による規制を受けていないことから、多くの利益を得やすいという点を誘い文句として謳っているケースが少なくありません。
しかし、経験が乏しい人は詐欺業者の見極めは困難であり、お金に困っている状況であれば正常な判断ができないことが考えられるでしょう。
一方で、日本国内で多くの顧客を長期間保有することから、親しみを持たれている海外FX業者も存在します。
このような状況も海外FX業者を見極めるのが難しい要因になっていると言えるでしょう。
出金から着金までに時間を要す場合がある
海外FX業者は出金から着金までに時間を要する場合があります。
その理由として次のポイントが挙げられるため、把握しておいてください。
- ・海外送金である
- ・出金に関するルールがある
- ・手間がかかる
海外FXの出金は業者から自身の銀行口座への海外送金が一般的です。
海外送金は3〜5営業日での振り込みになるため、出金申請から銀行口座へ着金するまでに時間を要します。
また、海外FXでは入金額と同じ金額分は、入金方法と同じ経路での出金が必須というルールがあるのです。
例えば、クレジットカードで5万円を入金し10万円を出金した場合、5万円はクレジットカードによる出金、残りの5万円はその他の経路での出金になります。
さらに、自身の銀行口座の所在やSWIFTコード、FX口座情報などの記入も必要なため、手続きに時間が必要です。
上記のようなことからも、数秒で出金可能な国内FX業者と比較すると海外FXの出金はスムーズではないことが分かるでしょう。
また、海外送金は手数料も高くなるため少額の出金の場合は手数料が割高となり、損をしてしまう恐れもあります。
出金拒否の可能性がある
海外FX業者では、トレード内容に不正があった、口座に問題があったなどの不当な理由により出金拒否となる可能性があります。
こういった出金拒否は詐欺業者に多く見られる傾向にあるのです。
利益を取り返そうと裁判を起こしても、業者側は海外に所在しているため裁判費用のほうが高くなり、かつ手間がかかってしまいます。
そのため、海外FXで出金拒否にあってしまうと泣き寝入りすることが珍しくありません。
問題を回避するため、事前に出金拒否の噂が無いか業者の実績を確認した上で利用する必要があります。
その他、トレーダー側の不正行為による出金拒否も考えられるでしょう。
ハイレバレッジを活かしたギャンブルトレードによって上げた大きな利益などは、出金拒否に該当する場合もあります。
禁止されている取引については公式サイトなどに記載されているため、事前に確認しておいてください。
税率が高い
海外FXのリスクとして税率の高さも挙げられます。
国内FX業者で上げた利益は申告分離課税の対象となり、税率は一律で20.315%です。
一方で、海外FX業者で上げた利益は累進課税の対象となるため、次のように税率がかかります。
利益 | 税率 |
---|---|
1,000円〜1,949,000円 | 5% |
1,950,000円〜3,299,000円 | 10% |
3,300,000円〜6,949,000円 | 20% |
6,950,000円〜8,999,000円 | 23% |
9,000,000円〜17,999,000円 | 33% |
18,000,000円〜39,999,000円 | 40% |
40,000,000円〜 | 45% |
税率を比較すると、海外FXで695万円以上の利益を上げると国内FXよりも税金が高くなります。
証拠金やポジションサイズが大きいと利益も大きくなりやすいため、税金も高くなるでしょう。
ただし、FXで得た利益は雑所得に該当するため、その他の収入との合算により税率が高くなります。
なお、必要経費を申請し所得を低くすることで税率を抑えることが可能です。
日本語に対応していない場合がある
日本語に対応していない場合がある点も海外FXを利用するリスクの1つです。
具体的には次のケースが考えられます。
- ・カスタマーサポートが日本語対応していない
- ・規約や業者についての情報などが日本語で記載されていない
カスタマーサポートが日本語に対応していないと不明点を詳しく質問することができません。
出金できない時に質問しても、サポートの返答を理解できないまま対応が終わってしまう恐れもあります。
また、取引規約や業者の情報が日本語で記載されていないと、自身のトレードが不正に該当するのか、業者はどこに所在しているのかなど不明点が多いまま利用することにもなるでしょう。
日本語対応していないということを利用し始めは気にしない人も多いですが、後々自身への不利益となるケースがあるため注意が必要です。
海外FX業者は日本の金融庁から認可されていない
日本に居住する人にFX取引を提供する事業者は、金融商品取引法に規定された「金融商品取引業」として金融庁に登録されている必要があります。
FX取引は、金融商品取引法上のデリバティブ取引に該当します。
日本に居住する投資者に対してFX取引を業として行うには、金融商品取引業の登録が必要です。
たとえ海外で金融商品取引のライセンスを持つ業者であっても、日本で登録を受けずに日本に居住する者に対して金融商品取引を業として行うことは禁止されています。
引用:II 取引に対する注意
海外FX業者は日本の金融庁に登録されていません。
その主な理由として、次の2つが挙げられます。
- ・レバレッジ規制がある
- ・ゼロカットを適用できない
金融庁に登録するとレバレッジ規制がかかり、海外FXの特徴でもある数千倍のレバレッジを提供できなくなってしまいます。
また、ゼロカットも海外FXならではの特徴です。
トレーダー側は違法ではないため利用すること自体は問題ありません。
しかし、利用することは自己責任となるため、無登録の業者とトラブルになっても金融庁は解決してくれない点に注意が必要です。
無登録業者と取引した場合は、トラブルが生じても無登録業者への追及は極めて困難です。
取引を始める前に、取引の相手が金融商品取引法の登録を受けている業者であることを必ず確認してください。
引用:II 取引に対する注意
なお、金融庁に登録されている業者は「金融商品取引業者等」にて確認できます。
リスクだけではない!海外FX業者のメリット
ここからは、海外FX業者のメリットを紹介していきます。
主に下記が挙げられるため、ぜひチェックしておいてください。
- ・ゼロカットシステムを採用
- ・少額資金でも大きな利益を狙える
- ・通貨ペアが多い
- ・MT4・MT5を使用できる
- ・ボーナス利用で無料取引が可能
ゼロカットシステムを採用
海外FXではゼロカットシステムを採用しており、追証にならないというメリットがあります。
ゼロカットとは、証拠金以上の損失が出てしまい口座資金がマイナスになっても追加証拠金(追証)が必要とならないシステムです。
なお、国内FX業者は次の理由でゼロカットを採用していません。
- ・ゼロカットによる補填分は業者側が負担するから
- ・金融商品取引法でゼロカットを採用してはいけないという規制が儲けられているから
国内FX業者はゼロカットシステムを採用できないかわりに、スワップポイントによるキャンペーンやスプレッドを狭くすることでトレーダーへ還元している特徴があります。
一方で、海外FXは日本の金融商品取引法に規制されないためゼロカットを採用しています。
突発的な値動きによって損失が出てしまっても追証とならない点が大きなメリットです。
ただし、ゼロカットシステムを採用しているかわりに、スプレッドが広い傾向にある点は注意しなければいけません。
少額資金でも大きな利益を狙える
少額資金で大きな利益を狙える点も海外FXのメリットです。
海外FX業者はレバレッジ規制がないため、小さい証拠金で大きなポジションを持てます。
国内FX業者と海外FX業者で必要な証拠金の比較を次にまとめました。
【1米ドル=120円、10万通貨のポジションの場合】
◯国内FX 120円×100,000通貨×4%(レバレッジ25倍)=480,000円
◯海外FX 120円×100,000通貨×0.0001%(レバレッジ1,000倍)=13,157円 |
同じポジションサイズでもレバレッジによって必要資金は全く異なります。
また、初回入金も500円と小さい金額から可能な業者が多く、まとまった資金が少ない初心者にはやさしいシステムと言えるでしょう。
ただし、ポジションサイズが大きいとスプレッドによってエントリー後に抱える含み損も大きくなることから、数pipsの変動で損切になるリスクもあります。
通貨ペアが多い
海外FX業者は通貨ペアが多い点も魅力です。主要な国内FX業者と海外FX業者の通貨ペア数を次に比較しました。
業者名 | 通貨ペア数 |
---|---|
国内:DMM FX | 21種類 |
国内:GMOクリック証券 | 20種類 |
国内:外為オンライン | 24種類 |
国内:楽天FX | 24種類 |
海外:XM | 55種類 |
海外:Axiory | 61種類 |
海外:TitanFX | 60種類 |
海外:Exness | 95種類 |
通貨ペア数が多いと相場状況に合わせて幅広くチャンスを狙えます。
また、国内FX業者には無いマイナーな通貨でスワップ狙いのポジションを持つこともできるでしょう。
ただし、マイナーな通貨同士の場合スプレッドが広い場合もあるため注意が必要です。
MT4・MT5を使用できる
海外FX業者はMT4・MT5を使用できる点も大きな特徴です。
MT4・MT5はメタクォーツ社が開発したチャートツールであり、海外FXの取引に活用することができます。
MT4・MT5のメリットを次に挙げました。
- ・シンプルで操作しやすい
- ・様々なインジケーターを表示できる
- ・チャートの色を自身の好みに変更できる
- ・スマホとパソコンの両方利用できる
国内FX業者のチャートは独自のものが多く、自由度が低かったり、機能がまとめられすぎていて使いづらかったりします。
海外FXであればMT4・MT5を使用できる業者は多いため、チャートの機能性に関しては心配はいらないでしょう。
ボーナス利用で無料取引が可能
海外FXはボーナス利用で無料で取引が可能です。
海外FXは口座開設時や入金時に応じたボーナスが豊富であり、入金額以上の証拠金を保有して取引が可能です。
取引で得た利益は出金もできるため、無料で利益を得られる可能性があります。
例として海外FX業者「XM」のボーナスを次にまとめました。
名称 | 金額 | 概要 |
---|---|---|
口座開設ボーナス | 15,000円 | 新規のリアル口座開設で15,000円分のボーナス付与 |
入金ボーナス | 100%+20% | ・入金額の100%(入金額$500ドル迄) ・ボーナス総額が$10,500ドルに達するまで入金額の20%のボーナスを付与 |
参照:XMのボーナスキャンペーン【2023年4月更新】(2023年4月現在)
新規の口座へ10万円を入金した場合、総額で17万5,000円の証拠金で取引を始められる計算になります。
ただし、ボーナスの出金はできず、また新規で口座開設した場合のみボーナスが得られるケースが多いです。
海外FX利用の際にリスクを回避する方法
海外FX利用の際にリスクを回避する方法は次の3つです。
- ・信頼できる業者か調査する
- ・信託保全を導入しているか事前に確認する
- ・金融ライセンスの保有について確認する
信頼できる業者か調査する
海外FXを利用する際は、信頼できる業者か調査しましょう。
口コミや評判を参考にして悪い噂が無いか、取引やサービス内容に不明な点が無いか確認します。
海外FXの評判や口コミなど利用者の声がネット上に多く挙げられているため参考にしてみてください。
充分に調査できれば、デモ口座で取引した後にリアル口座を開設して、最低入金額で試しにトレードすることをおすすめします。
信託保全を導入しているか事前に確認する
信託保全を導入しているか事前に確認することも重要です。
信託保全とは、FX業者が顧客からの預り金を事業者の損益とは区別して、信託銀行へ預けることです。
信託保全によって、FX事業者が破綻した場合でも顧客資産は守られます。
海外FXの信託保全の例として「XM」のケースを次に挙げています。
私の資金は安全ですか?
XMTradingはTradexfin LimitedとFintrade Limitedが運営しており、適用される法および規制に基づき、お客様の資金の安全性および消費者保護を確実なものにしています。
そのため、XMTradingが行う対策には以下のようなものがあります。
お客様の資金の分別管理
お客様のご資金は当社が用意する銀行口座へ移管され、分別管理されます。
こちらの資金は当社の貸借対照表に含まれず、当社清算時に債権者への支払いに充当されることはありません。
引用:私の資金は安全ですか?
信託保全については各業者の公式サイトにて確認できます。
出典:信託保全とは何ですか?
金融ライセンスの保有について確認する
海外FXを利用する際は金融ライセンスの保有についても確認が必要です。
金融ライセンスは金融業を行う事業者に与えられる資格であり、公的な金融監督機関による規制がされていることを証明します。
そのため、金融ライセンスを保有していない業者は悪徳業者や詐欺業者の可能性が高いです。
主な海外FXに関する金融ライセンスを次にまとめました。
- ・FCA(イギリス)
- ・ASIC(オーストラリア)
- ・IFSC(ベリーズ)
- ・FMA(ニュージーランド)
- ・FSA(セーシェル共和国)
- ・CySEC(キプロス)
それぞれをライセンスを保有するには一定の条件を満たす必要があります。
海外FXを利用する際は、どこの国のどのようなライセンスを保有しているかチェックすることをおすすめします。
まとめ
海外FX業者の危険性についてまとめると次のようになります。
- ・大きな損失リスクや出金拒否などリスクがある
- ・海外FXのハイレバレッジは使い方によってはメリットとなる
- ・海外FX業者は日本の金融庁に登録されていない
- ・海外FXの利用は自己責任と言える
- ・メリット・デメリットや業者の評判、使い方を押さえた上で利用する
また、海外FXは小さな資金から始められたり、ゼロカットを採用しているため初心者向けとも言えます。
ただし初心者は業者の見極めが難しいため、より注意を払って利用することが望ましいです。
自身に適した海外FX業者を選ぶためにも、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。