MT4の時間のずれを直す方法は?日本時間への合わせ方も
「MT4の時間が実際とずれている」「どうやって直したらいいか分からない」などと悩んでいませんか。
MT4は時刻表示が日本とずれていることがあるので、違和感を何とかしたいと思う人もいるでしょう。
今回はMT4の時刻設定を知らない人のために、時間の修正方法をまとめます。
MT4と日本で時刻がずれる背景を踏まえながら、時間の修正方法を覚えるといいでしょう。
MT4の時間はなぜずれるのか?
MT4が表示する時間は日本とずれていることがあります。
これは世界標準時間に合わせているからで、チャートが決まるタイミングにも影響を与えています。
この章はMT4の時間表示が現実とずれてしまう原因についての考察です。
MT4はタイムゾーンに世界標準時間を使っている
MT4の初期設定において、タイムゾーンはGMT+2になっています。
日本時間から7時間遅れているのです。
GMTとは世界標準時間で、GMT0はイギリスを指しています。
ちなみに日本はGMT+9です。
さらに世界にはサマータイムがあり、この間MT4は日本時間から6時間ずれた程度に変わります。
サマータイム時のMT4はGMT+3にもとづいた時間表示です。
このようにMT4が基準にしているのは日本時間ではなく、イギリスから2~3時間ずれたものになります。
開発元の標準時刻に合わせているとも考えられる
MT4を開発した国が、初期設定の時間に関係しているようです。
MT4を開発したMetaQuotes社は現在、キプロス共和国に本社がありますが、設立当初はロシアを拠点にしていました。
初期設定においてMT4のタイムゾーンは、日本から7時間、サマータイムにおいて6時間遅れていますが、これはロシアとキプロスの時間と一致します。
2つの国はMT4の初期設定と同じGMT+2だからです。
このように海外発のプラットフォームは、日本時間を意識した開発を受けていません。
MT4の時間は本社の地元に合わせているととれます。
日足が確定するタイミングもプラットフォームにより違う
MT4の表示時間が日本からずれていることで、日足が確定するタイミングも異なります。
FXにおいて一定の区切りごとの値動きを示すチャートはローソク足が通例ですが、確定するタイミングはプラットフォームや時間設定により違うので注意です。
たとえば日足のローソク足は日本時間24時以降に新しいものができます。
本来は月曜から金曜までの5本ですが、時間のカスタマイズがないと6本目も出ます。
6本目のローソク足は土曜分ですが、FX取引ができない日です。
国内FX会社が提供するMT4では、日本時間に合わせてローソク足が出るようにしています。
しかしMT4の時間がロシアを基準にしているので、時差の関係から土曜分のローソク足が反映されるのです。
MT4の時間基準を変えないまま、日本人向けに提供しているMT4だと、ローソク足が週に6本になります。
土曜分の価格変動に対応できなくて苦労する人もいるでしょう。
NYクローズの時間を知ろう
MT4の時間をカスタマイズする前に、ニューヨークのクローズ時間を知りましょう。
FX通貨の手数料の一種である「スワップポイント」が、ニューヨークのクローズ時間ごとに確定するからです。
ニューヨークのクローズ時間は夕方5時になります。
世界標準時間でいうとニューヨークはGMT-5で、日本とは14時間、サマータイムだと13時間差です。
日本時間では午前7時、サマータイムでは6時なので、スワップを払いたくないときはこのときまでに決済しなければなりません。
できれば前日のうちに保有中のポジションを決済すべきかを判断しましょう。
FXにおけるニューヨークのクローズ時間は、日本では午前6~7時と朝早くです。
MT4はサマータイムの影響も受ける
MT4の時間表示はサマータイムの影響も受けます。
その定義やMT4でのしくみについてまとめました。
サマータイムとは?
サマータイムとは3月~11月にかけて1時間進めた時刻体制で、欧米を中心に多くの国が取り入れています。
時計の針を1時間先に送ることで、太陽が出ている時間を多くの人に有効活用してもらうのが目的です。
サマータイムの採用時期は、国により異なります。
たとえばヨーロッパ各国は一部を除き、3月最終日曜日午前1時~10月最終日曜日午前1時になります。
しかしアメリカやカナダ、メキシコでは3月第2日曜日午前2時~11月第1日曜日午前2時と長くとる形です。
アメリカ国内ではサマータイムを実施しない州もあるなど、同じ国でも地域により時間の扱いが違うケースもあります。
日中時間を有効活用する意味合いがあるサマータイムですが、採用方法が地域により違うのが特徴です。
MT4におけるサマータイムのしくみ
MT4におけるサマータイムは3月~11月になります。
時期の範囲はどちらかというと北米に近いでしょう。
MT4でも独自のサマータイムを採用しており、該当時期はGMT+3で、日本より6時間遅い形です。
冬時間だとGMT+2なので、日本より7時間遅れます。
サマータイムについては、MT4も時期について独自に定めています。
これからFX投資を始める人は、MT4内におけるサマータイムの範囲を覚えましょう。
MT4/MT5の時差計算方法
MT4やMT5が表示する時刻から、日本時間を導く方法を覚えましょう。
標準設定は冬時間がGMT+2で、サマータイムがGMT+3です。
日本はGMT+9になり、サマータイムはありません。
日本のGMT+9からMT4標準設定のGMT+2を引けば、日本時間はMT4の表示より7時間進んでいると分かります。
サマータイムでは6時間進んでいることになります。
MT4の時間に6~7時間足せば日本時間に置き換えられるのです。
このように時差計算はGMTさえ分かれば簡単にクリアできます。
MT4の時間を日本に合わせる方法は?
MT4は、特別なシステムなしでは表示時間を日本に合わせられません。
時間を直接カスタマイズするメニューがMT4にないからです。
しかし外部からインジケーターファイルを取り込むことで、MT4を日本時間にカスタマイズできます。
その手順を覚えるとよいでしょう。
MT4では時間設定を直接変えられない
MT4内では時間設定を変えられません。
どうしても日本時間に合わせたいと考えても、外部からインジケーターを取り入れる必要があります。
MT4はロシアで開発を受けたので、時間表示がその国の基準で固定されているようです。
インジケーターを使わない場合は、常に時差計算から脳内で日本時間に置き換える必要があります。
しかし時差を気にすることで、脳の余裕がなくなり、気分がスッキリしない人もいるでしょう。
その場合は「JPN_Time_SubZero」のようなインジケーターを入れることで、日本時間に合わせられます。
MT4には時間表示を変える機能は直接入っていませんが、インジケーターによる時間のカスタマイズは可能です。
「JPN_Time_SubZero」というインジケーターをダウンロードしよう
「JPN_Time_SubZero」は、MT4の時間表示を日本に合わせられる代表的なインジケーターです。
新しいタイプではありませんが、時間表示をスッキリさせるうえで有用でしょう。
まずは「JPN_Time_SubZero」をGoogle検索などで見つけ出し、ダウンロードボタンを押してください。
他のインジケーター同様、ファイルとしてパソコン内にも保存可能です。
ダウンロードが済んだら、インストールを完了させてください。
MT4フォルダへ移動させて決まった作業を済ませる必要があります。
インジケーターファイルをMT4フォルダへ移動
「JPN_Time_SubZero」のインストールが終わったら、MT4を起動し、以下の手順をたどっていきましょう。
- 1.上部ツールバーの「ファイル」より「データフォルダを開く」を選ぶ
- 2.「MQL4」というフォルダに入り、「Indicators」をクリック
- 3.「JPN_Time_SubZero」を「Indicators」フォルダに移動させる
- 4.MT4の再起動後、ナビゲーターウインドウにて「インディケーター」に入り、「JPN_Time_SubZero」を選ぶ
以上の手順を踏まえれば、「JPN_Time_SubZero」を使えるようになります。
「JPN_Time_SubZero」を設定
「JPN_Time_SubZero」をユーザーに合わせた形で使えるように、カスタマイズを行いましょう。
ここでは以下の3項目を「true」に設定すれば大丈夫です。
項目 | 意味 |
---|---|
UseLocalPCTime | 使用中のパソコンが表示する時間 |
HOUR | チャート上の表示時間 |
MINUTE | チャート上の表示時間 |
以上でMT4の表示時間を日本に合わせられます。
MT4の時刻を日本に合わせるインジケーター「Time」
MT4を日本時間表示にするインジケーターには「Time」もあります。
こちらはサーバー表示と現地の間における時間のずれを直すことで、ユーザーが見たい時刻を表示できるツールです。
「Time」の特徴や設定方法を学びましょう。
基本性能は?
「Time」はユーザーがいる場所の時刻を表示できるインジケーターです。
こちらはサーバー時刻と、ユーザーがいる場所の時刻のずれをパラメーターに入れることで、時間表示を直せます。
「Time」の初期設定は日本のタイムゾーンですが、海外に行ったときは現地時間に修正できるなど、柔軟に対応できます。
インストールは状況に合わせてパラメーターをカスタマイズしてください。
時間を自由にカスタマイズできることから、「Time」は注目のインジケーターです。
各パラメーターを知ろう
Timeにはさまざまなパラメーターがあるので、それぞれの意味を知りましょう。
以下の表にまとめています。
パラメーター | 入力内容 |
---|---|
TimeZone | タイムゾーンで初期値は+9。GMTとの時間差を入れる |
ArrowPosition | 矢印の場所。初期値は0.025 |
TimePosition | 日時が出る場所。初期値は0.02 |
BarsPerTime | 時間表示の間隔。初期値は32 |
Font | 時間を示す文字の形式。初期値はMS UI Gothic |
ArrowFontSize | 矢印のサイズ。初期値は4 |
TimeFontSize | 時刻を示す文字のサイズ。初期値は8 |
FontColor | 時刻を示す文字の色。初期値はWhite |
以上の項目を、状況に応じてカスタマイズすれば設定完了です。
Windowsの時刻を修正する方法もあり
Windowsの時刻を修正することで、時間を見やすくする方法もあります。
MT4インジケーターによってはパソコン本体に時間を合わせていることもあるので、Windows側でのカスタマイズで時間のずれを解決できるかもしれません。
Windows側から時間をカスタマイズする方法を紹介します。
Windowsでの時刻設定方法
Windowsの場合、右下の表示時刻からカスタマイズを始めましょう。
手順は以下のとおりです。
- 1.右下の時刻を右クリックし、「日付と時刻の調整」を選ぶ
- 2.「時刻を自動的に設定する」をオフにする
- 3.希望の時刻に修正し変更ボタンを押す
以上でWindows側から時刻をカスタマイズできます。
コントロールパネルから手動で設定できる
パソコン側の時刻は「コントロールパネル」という場所に入ることで、手動設定も可能です。
以下の手順を踏まえましょう。
- 1.左下のスタートボタンをクリックし、メニューから「設定」を選ぶ
- 2.「Windowsの設定」という項目内にある「時刻と言語」を選ぶ
- 3.手動で時刻をカスタマイズ
以上で手動による時刻設定を終えられます。
インターネットとMT4の時刻を同期させる方法は?
インターネットにおけるサーバーと、MT4で時刻を同期させる方法もあります。
以下の手順で実現可能です。
- 1.右下の時刻を右クリックし、「日付と時刻の調整」を選ぶ
- 2.「日付と時刻の調整」画面にて、「別のタイムゾーンの時計を追加する」を押す
- 3. インターネット時刻を選んで「設定の変更」ボタンをクリックする
- 4.「インターネット時刻サーバーと同期する」にチェックを入れ、サーバーを「time.nist.gov」とし、「今すぐ更新」を押す
- 5.4と同じ画面でOKボタンを押せば、インターネット時刻サーバーとMT4で時刻が同じになる
ここまで完了させましょう。
まとめ
MT4は開発国であるロシアを基準にした時間に定められていて、時間表示は変えられません。
外部からインジケーターを取り寄せ、時間表示が変わるように設定する必要があります。
パソコン側から時間設定を変えることでも、MT4と表示を同じにできます。
MT4とパソコンで2通りの時間が出ていると混乱する人もいるでしょう。
スッキリとした時間表示のためには、カスタマイズが重要です。
今回の記事を参考に、MT4の時間表示を日本に合わせてみましょう。