MT4で過去チャートを導入する方法を解説 | 検証が必要な理由も
「USD/JPYの過去のチャートを知りたい」「過去の相場からFXを学びたい」と興味を持っていませんか。
結論からいうと、MT4は無料で過去のチャートもチェックできるので便利です。
私もFX市場の研究のために、10年前のチャートをチェックしたことがあります。
今回は過去チャートの検証をMT4で行いたい人のために、やり方を紹介します。
過去チャートから投資のコツを学べるので、投資のヒントを手に入れやすくなるでしょう。
FXで過去チャートの検証が必要な理由は?
FXで過去チャートを見る必要があるのは、損をする可能性を想定しつつ、今後の投資に生かすためです。
具体的には以下の6つのポイントがあります。
FXで損をする可能性を想定できるから
FXでは常に損をする可能性を考えなければいけません。
どの通貨ペアでいつ上がり、いつ下がるか分からないからです。
チャートが思いどおりに動くとは限らないことを学ぶためにも、過去チャートの検証を重ねましょう。
FXトレーダーには、なかなか損切りができずに資産を減らす人がいます。
予想以上の損失を見ることで、現実を受け入れられなくなるからです。
しかし実際の過去のチャートを見れば、同じ銘柄でも想定以上の値上がり値下がりを繰り返しているのが分かるでしょう。
このようにFXでは想定以上に損をする可能性を考えなければなりません。
最大でどれだけ損をするかを見るうえでも、過去チャートの検証は大切です。
相場のクセをつかめるから
過去チャートを見ることで、相場のクセをつかめるのも大きいでしょう。
USD/JPYやEUR/JPYなど、通貨ペアごとに相場の動きには特徴があるからです。
同じ時期でも違う動きを見せることがあるので、過去のチャートから研究してみましょう。
価格が上がりやすい傾向になる上昇トレンドや、その逆の下落トレンドを特にチェックしましょう。
トレンドの始まりや終わりを知ることで、次にとるべき行動を知れるからです。
チャートが見せるクセも、過去の動きから分かります。
FXで取引を始める前に調べてみるとよいでしょう。
過去の時事問題が相場に与えた影響を学べるから
FXの過去チャートを見れば、世界的な問題が起きたときの相場変化も分かります。
アメリカの大統領選挙の結果や、イギリスの「BREXIT」など、時事問題が相場に与える影響を学べるでしょう。
2020年も新型コロナウイルスにより、世界的に経済活動が制限される時期がありました。
このような有事は投資家心理に大きな影響を与え、価格が大きく動くかもしれません。
国家や世界情勢に関わる問題が起きたときの相場変化を知るうえでも、過去チャートは大切です。
売買ルールを身につけられるから
過去のチャートから学ぶことで、勝率に優れた売買ルールを身につけられます。
ただし漠然とチャートを見るだけでは、投資効率を上げられません。
自身が作ったルールが、過去のチャートに有効かを検証することが重要です。
FXの相場変動には、世界的有事の影響のように不確定要素もあります。
しかし多くの通貨ペアにおいて、相場変動の類似パターンを繰り返しているのを見られるでしょう。
法則をつかむことで、自身にとって最適な投資ルールを身につけられます。
過去のチャートを参考にすれば、どのような投資戦略がふさわしいかも分かるでしょう。
取引スキルが上達するので、初心者を脱出できるから
過去チャートを見ることで、取引スキルが上達します。
初心者を脱出するきっかけとしても、過去の相場を振り返ることは大切です。
FXの相場はいつどのように変動するか分かりません。
特段の事情があって動かなくなったり、世界的有事やFX会社のトラブルなどがきっかけで価格が暴落するケースもあるでしょう。
このように不規則な相場変動の過去を調べることで、想定外の事態への対処を学べます。
過去チャートを見れば取引スキルが上達します。
目先の価格変動に一喜一憂しないメンタルも作れるので、安定した戦略を作れるでしょう。
MT4の初期状態では過去データに限界があるから
MT4にも過去チャートは備わっていますが、精度に限界があるので利用はおすすめできません。
MT4の過去チャートは、1分足だと約2カ月分しか見られません。
1時間足で見ても、直近約2年しかデータがないので、そこから前の相場をチェックできないのが難点です。
外部のFX業者から「ヒストリカルデータ」という相場記録をMT4に組み込めば、10年前のチャートもチェックできるようになります。
導入の手順さえ覚えれば、過去の世界的な出来事があった当時の相場も学べるでしょう。
MT4にヒストリカルデータを取り込むことで、好きな時期のデータを自由にチェックできます。
過去チャートをMT4に取り込む方法
MT4に過去チャートを取り込む方法を解説します。
ここでは外部からヒストリカルデータを取り寄せるのがおすすめです。
MT4のもとの過去チャートは使いづらいので、外部に頼りましょう。
注意: MetaQuotes社のヒストリカルデータは評判がよくない
MT4はインストールした時点でヒストリカルデータが入っていますが、こちらは評判がよくありません。
ローソク足が抜けていたり、数値のブレが大きかったりするからです。
ローソク足はFXチャートとして多くの人が愛用するため、使えないと見づらいでしょう。
始値や終値などの数値が正確でなければ、過去チャートを正しく検証できません。
さらに数値のブレにより、バックテストをしても本当の勝率が分からず、トレーダーを悩ませます。
正確な過去データから検証したいと思ったら、外部のFX業者から新しく取り寄せましょう。
今回は外部から取り込む場合の手順を紹介します。
まずはMT4内のオリジナルヒストリカルデータを削除
MT4の起動を一旦停めてから、ヒストリカルデータの削除作業を始めてください。
手順は以下のとおりです。
- 1.MT4のメニュー「ファイル」よりデータフォルダを開く
- 2.MT4のインストールを受けたフォルダ下にある「history」を選ぶ
- 3.該当通貨ペアの「HSTファイル」を消す
これだけでMT4にもとからあったヒストリカルデータは消えます。
MT4で使われるバーの数を増やす
MT4で使うバーは、チャート内における区切り期間の値動きを示すパーツです。
たとえばバーの数が90万本なら、1分足で90万分、およそ1年8カ月分の過去チャートを確かめられます。
バーの数を決める手順は以下のとおりです。
- 1.MT4を起動する
- 2.メニューより「ツール」→「オプション」とつなぎ、チャートタブへ入る
- 3.ヒストリーおよびチャートの最大バー数を「9999999999」に設定しOKボタン
- 4.チャートタブを再び開いたら、ヒストリーおよびチャートの最大バー数は「2147483647」になっている
MT4で見られるバー数の最大値は21億4748万3647本です。
これは1分足でも約4085年分までさかのぼれる計算です。
あらゆる過去チャートを検証できる意味でも、バー数はなるべく多い数に増やしましょう。
外部から過去チャートを取り込む手順
外部から過去チャートを取り込むには、以下の手順を進めましょう。
- 1.MT4画面より「ツール」から「ヒストリーセンター」へアクセス
- 2.目当ての通貨ペアの「1分足(M1)」をクリックしインポートボタンを押す(グレーアウトならダブルクリックで押せるようになる)。
- 3.ファイル名横の「参照」を押し、データを選んで「OK」ボタン
- 4.インポート前よりデータベースの数が増えているので「閉じる」をクリックする
- 5.データ反映のためMT4を再起動する
以上の手順でクリアできます。
さらに1分足のデータをベースにすれば、他の時間足のデータも作れます。
以下の手順を踏まえてください。
- 1.MT4の「メニュー」より「オフラインチャート」へアクセス
- 2.インポート済みの「通貨ペア」を開く
- 3.オフライン中のチャートが開く
- 4.ナビゲーターメニューの「スクリプト」より「PeriodConverter」をチャートへドラッグ&ドロップ
- 5.MT4の自動売買がオンになっていて、「全般」タグの設定も同じであることをチェックする
- 6.「パラメータの入力」タブより、「Period multiplier factor」に好きな数字を入力しOKボタン。たとえば「10」と入れれば10分足のデータができる。このとき「’PeriodConverter’を停止して、’PeriodConverter’をチャート(通貨ペアと時間足)に適用しますか?」というポップアップが出るので「はい」と答える
- 7.「エキスパート」ログからPeriodConverterが書き込んだレコード数に関するメッセージをチェック
- 8.MT4のオフラインチャートに必要な時間足のデータが作られていればOK
「Period multiplier factor」で使える数字と対応した時間足は以下のとおりです。
数字 | 時間足 |
---|---|
1 | 1分 |
5 | 5分 |
15 | 15分 |
30 | 30分 |
60 | 60分 |
240 | 4時間足 |
1440 | 日足 |
できれば使えるすべての時間足を取り込むようにしましょう。
以上で過去チャートの導入は完了です。
過去チャートをMT4で見る方法
チャートを開いたら、ShiftとEnterを同時に押すことで見たい時期を指定できます。
決まった時期のチャートが画面に現れるしくみです。
通貨ペアや時間足の切り替えは、チャート画面下部からできます。
設定さえ整えばかんたんに見たい情報を手に入れられるでしょう。
MT4を使った過去チャートの見方はかんたんなので、FX初心者も試してみてください。
ヒストリカルデータが有用なFX会社2選
見やすいヒストリカルデータを入手するには、取り寄せ元であるFX会社選びが重要です。
国内ではFXTFが、海外ではFXDDのデータが見やすいでしょう。
それぞれの詳細を解説します。
国内はFXTFがおすすめ
FXTFは国内のFX会社ですが、ヒストリカルデータをMT4に取り込めるメリットがあります。
公式サイトでもMT4への導入方法を解説しているのでなじみやすいでしょう。
チャートデータをダウンロードできるブラウザも幅広いといえます。
FirefoxやGoogle Chrome、Internet Explorerなどに対応しているので、パソコンの環境を選ばずに取り入れられることがポイントです。
FX会社としてもMT4のオリジナルツールが豊富で、1000通貨単位から取引できるなど、初心者が取り組みやすいしくみです。
FXTFに口座開設してヒストリカルデータとともに活用することも考えられます。
海外ならFXDDを使おう
海外のFX会社では、FXDDがおすすめです。
日本語に対応していて、幅広い通貨ペアの過去データをMT4に導入できます。
過去データでは日本円建てだけでなく、米ドルや豪ドル建ての通貨ペアも導入可能です。
日本以外に在住している人でも使いやすいのが魅力でしょう。
FX会社としても日本市場での営業歴が長いことから、信頼性が高いといえます。
ヒストリカルデータ目当てだけでもFXDDを使ってみることで、充実した投資生活のきっかけになるかもしれません。
EAバックテストとは何か?
MT4の過去データを「EAバックテスト」に生かす人もいます。
しかしFX初心者にとっては、この意味が分からない人もいるでしょう。
EAとは「自動売買」を意味し、機械に投資をまかせた場合の精度をチェックする意味でバックテストを行うことがあります。
EAバックテストの意味ややり方を知りましょう。
過去データから自動売買の精度を確かめること
EAバックテストとは、過去のデータを参考に自動売買の精度をチェックすることです。
FX初心者はEAシステムに売買をまかせることがありますが、時折精度を確かめることで、収支改善にもつながるからです。
具体的には過去の相場で、現時点の設定にもとづいて自動売買を行った場合、どのような結果が出るかを調べます。
過去に照らし合わせて成績がよくない場合は改善が必要ですが、良好なら投資戦略として実践できるでしょう。
MT4の過去データは、手動による投資戦略だけでなく自動売買を改善するきっかけにもなります。
EAバックテストの手順を紹介
自動売買のバックテストのやり方は以下のとおりです。
1.ツールバー上の「Strategy Tester」をクリック。
「Strategy Tester」のアイコンは紙にかざした虫メガネのような形です。
2.チャート画面の下に設定画面が出るので、「セッティング」タブで以下の項目をカスタマイズする。
項目 | 意味・やり方 |
---|---|
エキスパートアドバイザー | バックテストに使うEAを選ぶ |
通貨ペア | テスト対象の通貨ペアを決定 |
モデル | バックテスト対象のモデルを選択。「全ティック」は1分足データを対象とする。「コントロールポイント」では「期間」での設定から1つ足の時間足を使用。「始値のみ」では時間足ごとの始値をもとにテスト |
日付と時間を使用 | チェックを入れてバックテストに使う期間を決められる |
ビジュアルモード | チャート上の値動きや注文タイミングを見ながらバックテストができるかを設定 |
期間 | 時間足の設定。たとえば「M1」なら1分足、「H4」なら4時間足、「Daily」なら日足など |
スプレッド | バックテスト時のスプレッドを指定する。単位はポイントで、提示レート「100.123」なら1ポイント=0.001になる |
3.「エキスパート設定」から「テスト中」タブでEAの各種設定を行う項目は以下のとおり
- ・初期証拠金と支払通貨の単位
- ・ポジション(Long & Short、Long Only、Short Onlyの三択。Longが買いポジションでShortは売りポジション)
4.「パラメーターの入力」タブよりバリュー欄の値を変更できる。
この欄はダブルクリックから入力可能
5.「Strategy Tester」の画面よりスタートボタンを押せば、バックテストが始まる
以上でEAバックテストの準備は完了します。
まとめ
MT4では過去データのチェックが大切です。
過去の相場を確かめることで、通貨ペアごとに価格変動のくせが分かったり、自身の投資戦略の改善につながったりします。
MT4は初期状態でも過去データはありますが、精度が悪く、見られる時期にも限界があるので使いづらいでしょう。
FXTFやFXDDのような外部のFX会社から過去データを取り込めば便利です。
過去データを投資戦略の改善に生かせば、FX初心者でも利益の得る機会を得られます。
今回の記事が参考になったら、早速過去データを導入してみませんか。