MT4で使える出来高とは?使い方やおすすめインジケーターを紹介
「MT4の出来高って何?」「インジケーターってどんなもの?何を使えば便利なの?」と分からなくて悩んでいませんか。
出来高はFXの相場をチェックするうえで重要なものなので、知っておくと便利です。
さらにインジケーターという機能を使うことで、さまざまな形から相場を分析できます。
今回はMT4の出来高の基本的な意味から活用法まで、幅広く解説します。
サポート機能であるインジケーターのおすすめも紹介するので、これを読めば出来高が何かを理解するだけでなく、相場分析も実践できるでしょう。
そもそも出来高とは何か?
まずは出来高の意味を知ることが大切です。
FXにおける出来高とは、通貨が一定期間に何回価格が変化したかを示すデータで、ここから相場を分析できます。
価格の変動だけにとらわれず出来高を見ることで、正しい投資行動を取りやすくなるでしょう。
一定期間の間に成立したFX通貨の数量
出来高とは、一定期間の間に受けた売買数量を意味します。
売買を受けた回数が多いほどその通貨ペアは多くの取引を受けていると考えてください。
出来高の対象期間は1日や1週間という形で違いますが、基本的には出来高の結果がよいほど、その通貨は注目を受けています。
市場の活性度を調べるうえで、出来高は大切なデータです。
FX相場だけでなく出来高にもトレンドが現れる
FXではFX相場だけでなく、出来高にもトレンドが現れます。
トレンドとは一定期間にわたって価格が上がり続けたり、下がることが多くなったりするという傾向です。
価格の上げ下げだけでなく、出来高も取引回数が多くなったり少なくなったりするトレンドがあります。
出来高にトレンドが現れることで、注文が集中していることが分かるでしょう。
以上から出来高のトレンドは、トレーダーの心理的な傾向を調べるうえでも役に立ちます。
出来高はFX通貨にとっての売買実績である
出来高はFXの通貨ペアがどれだけ売買を受けたかという実績です。
市場において通貨ペアがどれだけの影響力を発揮しているかというデータなので、信憑性は高いでしょう。
チャートでは価格の上下を「ローソク足」というマークで示すだけで、どれだけの売買を受けてそうなったかは見られません。
しかし出来高というサブデータがあれば、通貨ペアの売買回数から価格変動の背景が分かります。
出来高を相場と合わせてチェックすることで、FX市場に何が起きているかを知れます。
出来高が分かればどんな得があるのか?
出来高を知ることで、FX投資にどのようなメリットをもたらすかを知りたいですよね。
FXで出来高を学べば以下の2つのメリットが得られます。
- ・人気の通貨ペアが分かる
- ・投資家心理を把握できる
それぞれの詳細を見ていきましょう。
人気の通貨ペアが分かる
出来高を見ることで、通貨ペアの人気度が分かります。
FXにおいて、多くの通貨が取引を受けるほど、出来高も大きくなるからです。
USD/JPYのような人気の高い通貨ほど、毎日の出来高は大きく、市場が安定しやすいといえます。
逆に知名度が低い通貨は人気がないので、出来高も小さくなりがちで相場も不安定です。
この場合は少しの取引回数だけでも価格が大きく動くので、相場を予測しづらい欠点があります。
世界中でどれだけの人が通貨ペアに興味を持っているかも、出来高から分かるでしょう。
投資家心理を把握できる
出来高は投資家心理をチェックするうえで有用です。
出来高は状況によって色分けしているので、初めて使う人でも見やすくなっています。
出来高は通常、直前よりも多ければ緑、少なければ赤というように色が分かれています。
緑が集中していては注文が殺到している証拠ですが、赤が続くようになったら取引が減少傾向にあります。
このように為替通貨は取引回数が多くなるときと少なくなるときがあるので、市場の活性度を調べるうえでも出来高は大切なデータです。
MT4でチャート上に出来高を示す手順は?
MT4の場合、以下の手順で出来高を表示できます。
上部のメニューより「挿入」を押したらサブメニューより「インディケータ」→「Volumes」とつなげてください。
VolumesとはMT4が独自開発したインジケーターです。
下段にある画面が出来高です。
このようにMT4ではシンプルな手順で出来高を表示させられることがメリットです。
気になる人はぜひ試してみてください。
MT4で使えるおすすめインジケーター6つは?
MT4はVolumesのほかにも、便利なインジケーターがあります。
今回は以下の6つをおすすめするので、気になる人は使ってみるとよいでしょう。
- ・Volume with Custom Moving Average
- ・Cumulative Delta MT4
- ・Volume Bar 2 Osc
- ・FFx Volumes
- ・PipTick Volume
- ・VP-Range-v6
Volume with Custom Moving Average
「Volume with Custom Moving Average」は、出来高に加えて移動平均線をサブウインドウに出せるとして便利なインジケーターです。
移動平均線は「5日」や「25日」のように一定期間を決めることで、直近からその日数分の買値や売値の平均価格を示します。
出来高と移動平均線がセットになっていることで、Volumesよりも利便性が上がっています。
ひとつの画面に複数種類のデータがあることで、一目で相場の全容をつかめるからです。
このように移動平均線つきの出来高インジケーターは、FXの相場を読むコツをつかむうえで便利といえます。
Cumulative Delta MT4
「Cumulative Delta MT4」は、買いと売りのそれぞれの注文における出来高を示せるインジケーターです。
これを採用することで、目当ての通貨ペアでは買いと売りどちらの注文が集中しているかを知れるので、相場分析の初心者にとっては助かるでしょう。
Volumesは特定の通貨ペアに集まった注文回数だけを示し、買いと売りの内訳は示しません。
しかしCumulative Delta MT4なら注文形式の内訳を見ながら出来高を調べられるのが利点です。
出来高を示すサブウインドウでは、上に買い、下に売りの出来高が現れます。
買い注文の方が多ければ相場アップ、売りの方が多ければ相場ダウンのサインという風に、今後の値動きも予測しやすくなるでしょう。
Cumulative Delta MT4を導入すれば、買いと売りに分かれた出来高データをチェックできるので、相場状況を正確につかみやすいといえます。
Volume Bar 2 Osc
「Volume Bar 2 Osc」は、出来高の平均水準を示すインジケーターです。
以下の2つのタイプに分けて平均水準を示してくれます。
- ・チャート上におけるすべての出来高の平均値
- ・ユーザーが決めた範囲に限った出来高の平均値
このようにユーザー自身が出来高平均値の対象期間を決められるので、短期・長期両方の観点からトレンド分析ができます。
ユーザーが設定した出来高の平均値が水準を超えたらアラートが出ます。
ポップアップ画面が現れて音声で知らせるしくみです。
期間を決めながら出来高を分析できるだけでなく、水準を超えたときのアラート機能も備わっているので、正しい投資行動のきっかけをつかめるツールでしょう。
FFx Volumes
「FFx Volumes」は複数の時間足の出来高をチェックできる便利なツールです。
時間足の切り替えなしで、短期・長期的なスパンでのデータを一目で見られる点は助かるでしょう。
時間足とは「1日」「1週間」「1分」などのように、出来高を示す一本の棒グラフの対象期間を決める区切りを意味します。
FFx Volumesでは、1分足の出来高だけでなく、1日足の場合も見られるように、リアルタイムで短期・長期的トレンドをチェックできます。
FFx Volumesを使うことで、出来高を見るときも「時間足を切り替える」という面倒な作業をカットできます。
多角的な市場分析を希望するなら要注目でしょう。
PipTick Volume
「PipTick Volume」を使えば、6色に分かれた出来高バーを表示できます。
色は以下の6段階の出来高応じて変化し、先に出たものから低い方です。
- 1.ultra low
- 2.low
- 3.average
- 4.high
- 5.very high
- 6.ultra high
6つのレベルの基準は出来高の移動平均線がベースです。
この平均線の係数設定を変えることで、各レベルの領域を調整できます。
たとえば「very high」を「2」、「ultra high」を「2.5」に決めていれば、以下のように判定を受けます。
- ・very high: 移動平均線の2~2.5倍の出来高数値
- ・ultra high: 移動平均線の2.5倍を超えた出来高数値
ユーザーの感覚で出来高の基準を設定しながら、市場の盛り上がりを細かく分析できるのが、「PipTick Volume」のポイントでしょう。
VROC
「VROC」は出来高の変化率を調べるためのインジケーターです。
前の期間と比較した出来高の変動率を調べることで、相場の急変動を予測できます。
これにより出来高のトレンドの強さをチェックできるのがメリットです。
VROCを導入するとサブウィンドウの上から以下のデータが出ます。
- ・出来高変動率
- ・出来高
VROCの数値は「%」で表示しており、基準線である0%を上回っていれば前より市場が活発になっていると判断できます。
このように出来高のトレンドの強さをチェックできるのが、VROCの特徴です。
FXの出来高を調べるうえでの注意点
FXの出来高を調べるうえでは、以下の4点に注意しましょう。
- ・FXでは正確な出来高をチェックできない
- ・出来高ツールで分かるのは価格の変動回数だけ
- ・人気のない通貨ペアは出来高が読みづらい
それぞれの詳細について下にまとめました。
FXでは正確な出来高をチェックできない
FXでは正確な出来高を知れません。
FXの取引は相対取引だからです。
相対取引とは、業者が示した相場で取引することをいいます。
FXトレーダーは業者を相手に直接取引を行うことになります。
たとえばトレーダーが「日本円は売って米ドルを買いたい」と注文すれば、業者は自動的に米ドルを売って日本円の買いポジションを持つのです。
トレーダーと相対取引をするFX会社は、世界中に数多くあります。
トレーダーによって使っている業者が違うため、世界中の取引実績を正確に知る方法はありません。
このような背景から、FXの出来高はあくまでも目安で、正確な市況は知ることができないしくみです。
出来高ツールで分かるのは価格の変動回数だけ
FXにおける出来高とは「価格が変わった回数」で、取引の回数ではありません。
相対取引であるために、世界中のFX通貨の取引実績を正確に知る方法はないからです。
株式では取引が成立した数量を出来高としていますが、FXとは意味が異なります。
それでも市場参加者が多くなったり、通貨がたくさん取引されれば、FXの出来高も大きくなります。
以上からFXと株式では出来高の意味合いが違いますが、重要なデータとして参考にできることには変わりありません。
人気のない通貨ペアは出来高が読みづらい
人気のない通貨ペアは、出来高のデータが役に立ちづらいでしょう。
取引回数が少なすぎると、出来高も動きづらいからです。
レアな通貨は世界中でも買ったり売ったりする人が少なすぎるため、適正な相場も分かりづらくなります。
買いか売りのどちらかの注文が少し集中するだけで、価格が急騰したり暴落したりするのも難しいところです。
以上から人気のない通貨ペアの出来高は読みづらいといえます。
出来高に頼ったFX投資をしたいなら、USD/JPYのような人気のあるペアがおすすめです。
まとめ
MT4では「Volumes」のような出来高ツールを導入することで、価格の動きだけでは分からない市況をチェックできます。
FXにおける出来高は価格変化の回数を示しますが、それでも取引が活発だと価格も変わりやすいので、市場の盛り上がりが分かるでしょう。
「Volumes」では物足りないと思ったら、他のMT4インジケーターの導入もおすすめです。
出来高と移動平均線をセットで調べられたり、買いと売りに分けて出来高が分かったりなど便利な機能が揃っているからです。
以上からFX投資で儲けたいと思ったら、MT4の導入がおすすめです。