FXでの借金を警戒する人へ!原因と避けるための対策を紹介
「FXで借金する人がいると聞いたけど本当?」「損をしても借金しないで済む方法を知りたい」などと考えている方も多いでしょう。
FXにはまりこんだ結果、多額の借金を背負う人はいます。
しかし、自身で決めたルールやFXの規則に従うことで、借金の回避は可能です。
今回はFXの借金の原因や回避策を紹介します。
投資にチャレンジしたいが、借金はしたくないという人は、こちらの記事を参考に注意点を学びましょう。
そもそもFXとは何か?
まずはFXの意味を知ることから始めましょう。
証拠金取引という特殊な投資方法の一種であるうえ、勝率100%は望めない分野と知ることが大切です。
FXは証拠金取引の一種である
FXは2種類の通貨ペアへの投資による証拠金取引です。
ここでのペアとは法定通貨同士の組み合わせで、一方を売ってもう一方を買うことになります。
たとえば日本円を売って米ドルを買ったとしましょう。
米ドルの相場が上がったあとに売れば、買ったときより多くの日本円がもらえます。
ここで増えたぶんが利益です。
通貨交換で稼ぐ投資方法は、証拠金取引になります。
FXの専用口座にお金を預けただけで、何倍分もの金額による取引が可能です。
このしくみは「レバレッジ」とも呼びます。
レバレッジ25倍なら、1万円を預けただけでも25万円分の通貨を売買できるのです。
このようにFXでは為替通貨を対象として、レバレッジを使って投資をします。
FXでは勝率100%は不可能と考えよう
FXで「必ず儲かる」ということはありません。
通貨ペアの値動きを正確に予測するのはFXのプロでも簡単ではないからです。
レバレッジをたくさんかけたことによる損失リスクにも注意しましょう。
たとえばレバレッジ25倍なら、成功すれば通常の投資より25倍多い利益をもらえますが、失敗すれば25倍分の損失を背負わなければなりません。
これが原因で借金生活になる参加者もいます。
FXでは「必ず勝てる」という保証はなく、失敗が大きいと借金を背負うリスクもあるので注意が必要なのです。
参加者の借金を防ぐためにFX会社が設けているルール2つ
FX会社は、参加者がなるべく借金を背負わないために「マージンコール」や「強制ロスカット」といったルールを設けています。
それぞれの詳細を見ていきましょう。
マージンコール
マージンコールはFX会社が発する警告です。
一定以上の損失が分かれば、追加の証拠金を口座に入れるように指示がきます。
FXでは証拠金維持率というルールがあります。
参加者が保有中の通貨価値に対する証拠金の割合を意味し、少なすぎるとマージンコールが起きるのです。
この場合参加者はすぐに証拠金を追加しないとロスカットを受けます。
マージンコールは口座に入っているお金が減りすぎているという業者からの警告です。
なるべく受けないようにしましょう。
強制ロスカット
強制ロスカットは証拠金維持率が一定基準を下回ったときに起きます。
一度決まるとその時点で持っていた通貨は、FX会社により手放させられます。
証拠金維持率が減っていることは損失が大きい証拠なので、FX会社は参加者がそれ以上損をしないように強制ロスカットという措置をとるのです。
ロスカットで口座残高がマイナスになることは少ないでしょう。
しかし相場の急変動により短時間で損失が大きくなりすぎると、ロスカットを受けてもマイナスが残り、証拠金の追加義務が起きます。
強制ロスカットは過剰な損失を防ぐために、FX会社側がとる措置です。
FXで借金をしてしまう原因3つ
FXで借金が起きてしまう原因としては、ロスカットの遅れや損切りを決められないことによる過剰な損失が挙げられます。
生活に必要な資金をFXにあてて損をするようなことがあれば、借金生活につながってしまうでしょう。
FXにおける借金の原因を以下にまとめました。
相場の急変動でロスカットが間に合わなくなる
FXには過剰な損失を避けるための強制ロスカットがありますが、間に合わなくて借金につながることがあります。
短時間で相場が急に上がったり下がったりするときに借金の可能性が出るでしょう。
大統領の選挙結果のような国際情勢に関わるニュースや、リーマンショックのような経済的影響の大きい出来事があると、相場が急変しやすいでしょう。
事前に重大なニュースがあると分かっているときは、ポジションの手放しや投資活動の一時停止も考えてください。
有事には相場の急変動が起きやすく、ロスカットも間に合わないぐらいの損失も想定しなければなりません。
自身で損切りを決められない
損切りを決められないことでも借金の可能性が高まります。
買った通貨の値下がりが続くような損が増える状態が続けば、資産がどんどん減っていくからです。
FXにおいて特に初心者はたくさんの利益を目指すだけでなく、無駄な損失を抑える意識も重要です。
損失のしすぎでロスカットを受けたり、借金をしなければならない状況になったりすれば意味がありません。
値上がりを待ち続けるのではなく、一定期間までに相場がよくならなければ損切りをする勇気も大切です。
生活に必要な資金もFXにつぎ込んでしまう
生活費にあてるべきお金もFXにつぎ込んでしまった結果、借金を余儀なくされるケースもあります。
FXの損失額が大きくなりすぎて、生活に必要なお金が足りなくなるからです。
FXにはまりすぎて生活費に手を出すのは危険です。
無駄なお金をつぎ込むことで損失リスクは膨らみ、借金生活につながるでしょう。
借金を避けるうえでも、口座内で余裕のあるお金だけでFXを楽しむように心がけてください。
FXで借金を回避する対策8つ
FXで借金をするほど損をしないためには、さまざまな対策を実践しましょう。
少なくとも以下の8つを心がけてください。
FXの基礎知識や資金配分、投資時の心がけなど、注意すべきポイントはさまざまです。
ポイントに従いながら投資を進めれば、借金のリスクを減らせるでしょう。
まずは基礎知識を身につける
FXに参加するなら、まずは基礎知識を身につけることが重要です。
口座を開設する前に、FXに関するさまざまな勉強を進めましょう。
たとえばFXの初心者向けの本やセミナーに参加することで、知識を養えます。
損をする可能性やそれに対する対策なども学べるでしょう。
「証拠金」や「ロスカット」などの専門用語も多いので、ひとつずつ意味を覚えることも大切です。
FX初心者は基礎知識を身につけ、無駄な損失を抑えるように意識してください。
FXに使う資金を事前に決める
FXに使う資金をあらかじめ決めましょう。
最初に使う資金を決めておけば、無駄なお金をつぎ込まず、借金のリスクを減らせるからです。
自身の銀行口座や月の生活費などをチェックし、FXに使っても生活に影響のない余裕資産を見極めましょう。
使える金額だけでなく、1か月あたりの投資予定額まで決めることで、計画的にFX取引を進められます。
資金を使い果たさないために、少額取引からスタートすることも重要です。
FXでは計画的な投資が大切なので、すべてなくしても生活に影響のないお金をはっきりさせましょう。
追加証拠金のないFX会社を利用する
海外のFX会社には追加証拠金を設けていないところがあります。
こちらは「ゼロカットシステム」と呼び、ロスカットがありません。
損をしても証拠金を足さなくてよいのです。
GEMFOREXやXMなど海外拠点で人気を得ているFX会社のうち、多くはゼロカットシステムを採用しています。
計画的な資金管理が必要であることは変わりませんが、追加証拠金を入れる心配がない点で、プレッシャーを感じずに取引できるでしょう。
追加証拠金は大きな損失をした結果、借金をしてでも入れなければなりません。
しかしゼロカットシステムがあれば、追加証拠金のリスクを抑えながら取引できます。
逆指値注文で損切りポイントを決める
過剰な損失を抑えるには逆指値注文を覚えましょう。
これは参加者が通貨ペアに対する1枚あたりの希望価格を指定し、数量を決めて出すものです。
実際の通貨ペアの相場が希望価格に到達した時点で取引成立になります。
たとえば米ドルを1ドル101円で購入したとき、100.5円の希望価格で売るという逆指値注文を出したとします。
実際の米ドル相場が100.5円までダウンすれば、参加者がFXを見ていなくても自動で売却が済んでいます。
その後90円まで暴落していたとしても、1枚0.5円分の損しかしません。
逆指値注文は過剰な損失を防ぐやり方なので、借金対策として覚えておきましょう。
レバレッジ倍数を少なくする
FX初心者は少ないレバレッジ倍数で取引を進めてください。
倍数が少ないぶん、大きな損をする可能性も減らせるからです。
初心者は多くても3倍以下で取引してください。
たとえば1ドル100円の米ドルを1,000通貨買うときは10万円かかりますが、3万4,000円の証拠金なら3倍近く程度のレバレッジで済みます。
少ないレバレッジで投資を済ませることで、借金になるほどの大きな損失の可能性はなくせます。
大損をおそれるあまりの精神的プレッシャーも感じなくてよいでしょう。
土日にはポジションを保有しないこと
土日にはなるべくFXのポジションを持たない方がよいでしょう。
この期間は世界中の市場がお休みで取引はできませんが、相場自体は動いています。
土日に相場が急変しても対策ができないのが難点です。
また、日本では元日や祝日は曜日を問わず取引できないことにも気をつけましょう。
以上のリスクを考えて、土日はポジションを持たないようにしましょう。
金曜日のうちにポジションを手放すことがセオリーです。
過去の取引データを検証する
1か月間取引を進めれば、過去のデータをまとめて検証しましょう。
自身の投資のくせや問題点が分かるからです。
成功しているときの注文や決済のタイミングや、失敗しやすい状況を過去のデータからチェックしてください。
成功時の傾向を分析しながら、同じ失敗を繰り返さないように努めることで、利益を最大化できます。
FXの取引データを丁寧にチェックし、傾向から次の対策を考えましょう。
経済指標など重大な情報はチェックする
経済指標などFX相場への影響が大きいものは定期的に確かめましょう。
FX会社の公式サイトには経済指標カレンダーがあるので、重要度の高いものはスケジュールにメモとして残してください。
FX相場に影響しやすい要素は他にも政策金利や雇用統計があります。
経済指標カレンダーによっては重要度を「高」と表示し、注意を促すケースもあるでしょう。
重要度の高い経済情報が出ると、相場が大きく動きやすいといえます。
過剰な損失を避けるためにも、経済情報が出る前にポジションを手放すなどの対策が重要です。
FXで借金苦を解決できないときの対処法4つ
FXで大きな損失を受けた結果、多額の借金を背負うこともあります。
金額が大きすぎて返せる見通しが立たないケースもあるでしょう。
借金の問題が出たら最初はFX会社に相談し、返済額を準備してください。
しかしそれが出来なければ、任意整理や自己破産なども考えられます。
FXが原因の借金苦への対処法を4つにまとめました。
まずはFX会社に問い合わせ、可能な範囲の返済額を準備
損失が大きくで借金ができたら、まずはFX会社に問い合わせてください。
このとき可能な範囲の返済額を準備しましょう。
FX会社に連絡することで借金を返す誠意を見せられます。
会社側にとっても参加者の返済の見通しが分かれば安心するでしょう。
一方ですべての借金を用意できないと分かれば、FX会社に対し、正直にその内容を伝えてください。
FXで借金を作れば、すぐに証拠金を追加できないことと、返済計画を正直に知らせることが重要です。
相手と話し合って返済額を減らす任意整理
FXで作った借金の返済見通しがたたなければ、任意整理も考えられます。
任意整理が決まれば、参加者が「債権者」としてのFX会社と話し合い、追加証拠金としての支払いを減らせます。
裁判所を通さなくてよいぶん、手続きがかんたんなのもポイントです。
ただし借金額が大きく減るわけではなく、信用情報機関のリストにも残るので注意しましょう。
信用情報機関に載ると携帯電話や自動車などのローンが数年にわたり組めなくなります。
生活の一部に支障が出るリスクはありますが、借金を解決を優先するために任意整理を選択肢に入れることも必要になってくるでしょう。
裁判所を通じて借金を減らす個人再生
個人再生を使えば、家や家財道具を手放さずして借金を減らせます。
返済額が大きすぎて任意整理で対応できないときはこちらを使いましょう。
裁判所を通して借金を5分の1までカットできるからです。
こちらを使っても信用情報機関のリストに加わることになり、官報にも氏名と住所を載せられます。
また確実な収入源がないと使えないことにも注意です。
しかし借金の解決を目指すうえで、個人再生も選択肢として重要でしょう。
借金をゼロにできる自己破産
自己破産は借金の全額免除を受けることです。
裁判所への申し立てを通して成立します。
しかし代償として家や家財道具を差し押さえられたり、選べる職業に制限が出たりするのがリスクです。
また信用情報機関のリストと官報に載るので、自己破産はなるべく避けるように努めましょう。
さらにFXはギャンブル的な側面があることから、破産法の「免責不許可事由」に当てはまる可能性もあり、その場合は借金の一部が残ります。
このようにFXでは自己破産は使いづらいうえ、できたとしてもその後の生活に影響が及ぶ可能性があります。
慎重な資金計画が必要です。
まとめ
FXでは損失額が大きくなると、最悪の場合借金につながります。
過剰な損失を防ぐにはFXの基礎知識を身につけ、適度にお金をコントロールするなどの対策が必要です。
万が一借金ができてしまったときは、FX会社に相談し、多額で返しきれないようなら任意整理のような法律の助けを受けることも考えられます。
FXは100%勝てる投資分野ではないので、常に損失を想定しながらお金を使いすぎないように、計画的な投資でFXを楽しみましょう。